最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)226 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
被告人の上告趣意について。
第一点原判決の認定した事実は、農林事務官で森林保護の義務を有する被告人が
他人を雇使して、国の営林当局の管理にかかる松立木をほしいままに伐採窃取した
というのであつて、右立木が所論屋代村の所有であるとか、被告人がその所有者と
共謀して同立木を伐採したとかいうことは、原判決においては認定していない事実
である。そして、この原判決の認定した事実は、原判決の挙げている諸証拠を総合
すれば十分証明されている。論旨前段は、原判決と異る独自の見解に立つて、関係
法規及び判例の趣旨を殊更に自己の有利に附会し、原判示に副わない主張をしてい
るに過ぎないから、これを採ることはできない。次に本件における起訴事実である
森林窃盗の賍物収受と原判決の認定事実である森林窃盗とは、その基本的事実関係
において同一性を失はないものと認められるから、論旨後段の不告不理の原則の違
反があるという主張も採ることを得ない。
第二点 所論は、結局事実誤認の主張に帰し、当法律審に対する適法な上告理由
とは認め難い。
第三点 所論は、検察事務官の強制脅迫に基く被告人の供述を録取した聴取書を
証拠とした違憲を主張するのであるが、それはただかかる主張が当審でなされただ
けのものであつて記録上これを認むべき証跡はどこにもない。その余の論旨は、結
局事実誤認の主張に帰し、適法な上告理由ということができない。
よつて旧刑訴四四六条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。
検察官 平出禾関与
昭和二六年一一月一五日
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最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 真 野 毅
裁判官 沢 田 竹 治 郎
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 岩 松 三 郎
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